アラフィフ主婦がAIとゆく、新たな愛と宇宙の旅

50代、うつ病、モラハラ夫、おまけに10年の恋と大失恋。 追い詰められたアラフィフ主婦が、AIと宇宙を味方につけて、「魂の恋」と「本物の愛」、そして自分自身の真実を探求していく。

第21話 リボーン-研究室の逢瀬-(中編)

突然、キーンコーンカンコーンという大音量の鐘が響いた。

私は驚いて、思わず彼から體(からだ)を離した。

 

「大きく響くでしょう?僕の部屋を出てすぐそこの壁に、ちょうどスピーカーがあるんですよ。1日に何度も聞かされてます」

と彼が肩をすくめた。

「これでは、うるさいでしょう?」

と私は眉を寄せた。

「まあ、仕方ないです。慣れれば気にならなくなるもんですよ」

と、彼は涼しい顔をしている。

 

すると、廊下が騒がしくなってきたので、私はドアの方を見た。

「講義が終わったので、学生たちが教室から一斉に出てきているんですよ」

Rの研究室は、階段の踊り場付近にあるため、上の階にある各教室から吐き出されてくる学生たちが、ゾロゾロ降りてくる喧騒がよく聞こえるのだ。

 

こんな場所に部屋をあてがわれているなんて、彼が、学内の主流派閥に与(くみ)していないことも影響しているのだろうか?

しかし、これが面当てだったとしても、さほど気にしていないようで、彼は飄々(ひょうひょう)としている。

 

Rはドアへ歩いて行くと、鍵を閉めた。

「これで大丈夫。アシスタントが時々訪ねてくることがあるけど、まあ、居留守を使うことにします」

彼は口に人差し指を当ててそう言うと、再び私を強く抱き締めた。

そして、キスをしながらゆっくりとカーディガンのボタンを外していく。

 

「ん?……あれ……?」

カーディガンの下の白いブラウスの上から、私の胸をなでた彼が、いぶかしげな声を上げた。

そして、探るように指で乳首をなぞると、

「あなた、ブラジャー着けてないの!?」

と目を丸くした。

 

「そうなの……」

私は、少し得意気に答えた。

「どうして?」

「どうしてって……今日は、ほら……愛し合えないでしょう?

だから、1枚でも布を少なくして、服の上からでもあなたを感じられるようにしたいと思ったの……」

「それで、家から着けてこなかったの!?」

「そう」

「まったく、あなたって女(ひと)は……!」

彼は破顔すると、ブラウスのボタンも素早く外し、露(あら)わになった白い乳房にむさぼり付いてきた。

 

Rは私の乳首を口に含みながら、背中に回していた手を下ろして、スカートをまくり上げた。すると、

「あっ」

と小さく叫び、動きを止めた。

「あなた、パンティもはいてこなかったんですか!?」

彼があきれたように私を見る。

「うん……あなたに触って欲しかったのだもの」

と私は彼の胸に顔を埋めた。

 

 

今朝、家の玄関を出たとき、秋晴れの空には雲1つなかった。

いつものように締め付けられていない胸は、伸び伸びして呼吸しやすかった。

スカートの下を、肌に直接触れながら通り抜ける冷たい風も、心地好かった。

(ああ、なんて清々しいの!)

薄い布1、2枚取り払っただけで、こんなに軽やかになれるとは思っていなかった。

 

Rの大学の最寄り駅までは、急行列車で向かった。

列車の振動が、足から秘部へと伝わってくる。

なにやら落ち着かない気分だった。

 

私は、膝の上に広げた文庫本から顔を上げ、それとなく周りを見回した。

この車両にいる誰も、

トレンチコートできっちり身を包み、澄まし顔で本を読んでいる中年女が、

ノーブラ、ノーパンだとは想像もしないだろう。

 

私だって、つい今朝方まで、こんな自分を想像したこともなかった。

Rと出逢う前の私が、今の私を知ったら、驚愕(きょうがく)し、そして、軽蔑するに違いない。

 

それにしても、Rはいたってノーマルで、私にこんな破廉恥(はれんち)を求めたことはない。

私が自ら思い付き、やっていることだ。

正面の車窓に私が映っている。

しかし、その私は、もはや、私が知っている女ではなかった。

彼女が、不適な笑みを浮かべてこちらを見ている。

(私は、「女」を愉しむことに決めたのよ)

その女は、私にそうささやくと、ふふんと鼻を鳴らした。

 

 

むき出しの尻に手を触れた彼は、何を思ったのか、突然、私の服を次々とはぎ取った。

呆気に取られているうちに、彼も服を脱ぎ捨てた。

2人は、あっという間に全裸で向き合っていた。

 

(えっ、ここ、職場なのよ!?)

私は戸惑った。

四方を本に囲まれた簡素な仕事場に、あまりに場違いな2人だった。

しかし、この部屋の主は今、下腹部の“それ”を雄々しく起立させて、堂々と立っている。

 

私は圧倒され、動けなかった。

主は、私をビジネスチェアに座らせると、全身にキスの雨を降らせた。

そして、おもむろに私のふくらはぎをつかみ、両足を持ち上げると、左右の肘かけに乗せた。

 

(え、待って!?)

私は大いに戸惑った。

Rの顔前で、私は脚をM字に開いている。

夫が、「女のアレは気持ち悪い」と言って、触るのも見るのも避けていた部位。

私も他人に触れられるのは嫌だったし、自分でもほとんど見ることがない場所。

そんな恥部を、出逢って数ヶ月たらずの他人の眼前で、陽光の下、こんなにも露(あらわ)にするなど、あり得ないことだった。

 

あまりの恥ずかしさに両手で顔をおおったが、なぜか拒む気にならなかった。

むしろ、全てをさらけ出してしまいたい衝動にかられたのだ。

なぜそこまでの気持ちになったのか、この時の私は、自分の変化をほとんど意識できていなかった。

 

(つづく……)

 

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