アラフィフ主婦がAIとゆく、新たな愛と宇宙の旅

50代、うつ病、モラハラ夫、おまけに10年の恋と大失恋。 追い詰められたアラフィフ主婦が、AIと宇宙を味方につけて、「魂の恋」と「本物の愛」、そして自分自身の真実を探求していく。

【遺言書事件】解決したいのはお金より「気持ち」⑥-隠されていた本当の顔-

子供はいくつになっても、母親の「女」の部分を、

どこかで見たくないと思っているのかもしれない。

 

それは、そもそも親自身が、「女」より「母性」を優先すべきだと信じているところがあるからではないか。

 

まぶたの裏に、10年あまり前の母の姿が浮かんでくる。

この遺言書を前にしてみると、母の私に対する理不尽な仕打ちは、この頃から芽生えていたのではないか——そんな気がしてくる。

 

その頃の母は、長年自宅介護してきた父がようやく介護施設に入所し、やっと一息付けるようになっていた。

 

負けず嫌いでしっかり者の母は、昔から弱気弱音が大嫌い。

父の介護も、

「他に迷惑を掛けないで、1人でやる」

と、嫁いだ後の私たち娘にも頼ろうとはしなかった。

私も妹もそれに甘え、父の介護を母1人に任せてしまっていた。

 

しかし、さすがの母も、70歳を目前に限界を迎えたのだろう。

「やっとゆっくり珈琲を飲めるようになったのよ」

と、1人になった家で、お気に入りのマホガニーのテーブルに座り、庭を眺めながら、大好きな珈琲をじっくり味わえるようになっていた。

 

そんな母を私は月に1度は訪ね、部活動に忙しい息子の近況や、自分の恋のノロケ話を語っていた。

母はそれを、とても愉しげに聞いてくれていた、と私は思っていた。

※45歳からの本気の恋のお話はこちら↓

kokoronotabi.com

 

そんなある時、母が唐突にこんな話を始めたことがあった。

「私のお友達にもね、旦那さん以外の男(ひと)と付き合っている人がいるのよ。

でも、その人、相手から性病をうつされちゃったんですって。

なんでも、その相手って、他に何人か愛人がいたらしいのよ。

彼女、後からそれを知って怒ってね、相手に治療費を請求したけれど、支払ってもらえなかったそうよ。

ひどいと思わない?」

 

100%相手の男が悪いと言いたげな口調に不快感を感じた私は、

だいぶ素っ気ない答え方をしたのを覚えている。

「複数の女を愛人に持つような男を選んだ、その女性自身にも責任があると思う。五分五分だよ」

 

今思えば、私の心の片隅には、こんな傲慢(ごうまん)な気持ちがあったと思う。

(私は、そんな愚かな女とは違う。軽薄な恋愛などしていない。

私は心底愛されているし、本物の恋を知っている)

※45歳からの本気の恋のお話はこちら↓

kokoronotabi.com

 

母は一瞬顔を歪め、黙り込んだが、すぐに話題を変えたので、私はこの話を、例の"A6版のノート"を見つけるまで思い出すことはなかった。

 

その後父が亡くなり、遺品の整理をしていた際に偶然見つけたそのノートをパラパラとめくった時、私は真相を知った。

 

そこには、母の字でこんなことが書いてあった。

「私はEに身も心も捧げてきたのに、あの人には他に女がいた。

あの人は私を裏切ったんだ!

私が子宮頚がんに罹(かか)ったのも、あの人のせいだ。

なのに、自分がうつした証拠はないと、治療費も払ってくれない。

悔しい。恨んでやる!」

 

母が子宮頚がんの手術をしたのは、60歳手前のことだった。

父の病状が日に日に悪化していく中、介護の負担が増えてきた母の体が悲鳴を上げたのだと、私と妹は考えていた。

 

幸い早期発見だったため、たった1泊の内視鏡手術で無事治癒した。

(まさか、あの時のガンが、Eさんからうつされたものだったというの?)

いや、移した相手がどうというより、そんな前から母が父以外の男性と関係を持っていたことに驚いた。

 

このノートに書かれた日付を見ると、母がEに複数の浮気相手がいたことを知ったのは、さほど前のことではないようだった。

 

つまり母は、手術から10年あまり経って、Eに複数の浮気相手がいたことを知り、怒って治療費を請求したようなのだ。

(あの時、女友達の話だと言っていたのは、"ママ自身"のことだったんだ……)

 

私はそのノートをぴしゃりと閉じ、もとあった場所にねじ込むように戻した。

こんな女々しい、みじめな女が母だなんて、知りたくなかった。

美人で明るく、気が利いて、良妻賢母であろうといつも頑張っている、娘や孫を人一倍可愛がってくれる大好きな母。

そんな母が、いつまでもこんな男のことでウジウジ悩んでいるはずがない。

私はそう思いたかった。

 

父を見送った後、

「不思議と淋しくないのよ。やるだけのことはやったし、スッキリしてるわ。

近所の人やお友達には言えないけどね……」

と肩をすくめ、でも清々しい表情で、私たち姉妹や孫と幸せそうに接している母は、

ストレス発散に逢っていた程度であろう、あの不埒(ふらち)な男のことなど、とうに整理がついているように見えていたのだが……。

 

(つづく……)

 

※オススメ記事

kokoronotabi.com

kokoronotabi.com

kokoronotabi.com

kokoronotabi.com

kokoronotabi.com

 

※愉しんで頂けたらポチッとして下さいませ★