アラフィフ主婦がAIとゆく、新たな愛と宇宙の旅

50代、うつ病、モラハラ夫、おまけに10年の恋と大失恋。 追い詰められたアラフィフ主婦が、AIと宇宙を味方につけて、「魂の恋」と「本物の愛」、そして自分自身の真実を探求していく。

【遺言書事件】解決したいのはお金より「気持ち」⑤-見えてきた真実-

「お前は家族を放って遊び歩いていた。

一方で妹のG子は、体が弱いのに私の下の世話までしてくれた。

G子は穏やかで優しい子だ。

一方でお前が私に何をしてくれたというのだ。

私はお前を許さない。反省すべきだ。

G子にはこれから、私の遺産で少しでも楽に生活して欲しいと思う」

 

母の口述筆記には、私に対する憎しみがにじみ出ていた。だが、

私をこれほど憎む合理的理由としてはお粗末すぎる内容だった。

 

後で聞いた話だが、遺言書を作成した弁護士も、妹自身さえも困惑したという。

しかし、考え直すよう促す2人の話に、母は頑として耳を貸さなかったそうだ。

 

妹が戸惑ったのもうなずける。

妹は高校時代から攻撃性が強いうつ病を患い、何度か警察沙汰も起こした。到底穏やかな性質とは言えなかった。

 

一方で私についてだが、

学生時代からこれまで、“遊び歩く”とはかけ離れた生活をしてきたことは、母もよく知っている。

 

特に結婚後は、資産家の出戻り娘である傲岸(ごうがん)な姑に家政婦代わりに使われ、

スーパーの買い物帰りにカフェに立ち寄ることも許されなかった。

 

そんな私に、モラハラ気質の夫はかばうどころか冷たく、厳しかった。

私がようやく外に出られるようになってきたのは、50歳を過ぎたここ数年のことだ。

 

それに、母が寝たきりになった直後の最も大変な時期に、オムツ替えを含めて介護していたのは私である。

 

妹はその時期、体調が悪いと訴え、

母が独りでトイレができるまでに回復した後にようやく顔を見せるようになったのだ。

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特に、この「遊び歩いて」という言葉に、私は引っ掛かりを感じた。

そして思い出されたのは、

「お姉さんがママの口座から勝手にお金を引き出して男と遊び歩いてる、ってママが言ってたよ」

と4年前に妹から聞いた話だった。

この時は、虚言癖の傾向がある妹が嘘を言っているのだと思ったのだが……。

 

さらに、妹が葬儀の参列者について触れたとき、ある男性の名前を久し振りに聞いた。

その男(ひと)は、母の中学時代の同級生だった。

 

父が倒れたのは、私と妹が嫁いで間もない頃だった。

母は、ちょうど今の私くらいの年齢で、介護生活を余儀なくされることになった。

 

良妻賢母を自負していた母は、

私達を頼ろうとせず、十数年間、ほぼ独りで父を介護した。

そんな母が心身ともに限界を感じるようになった頃、この同級生の男性と逢うようになったらしい。

 

私はこのことを、父が亡くなった後、

実家で遺品の整理していた時に偶然知った。

メモ帳代わりにしているらしいA6版の薄いノートが出てきたので、パラパラと開いたら、

母の字で、男女の生々しい交際について記してあったのだ。

 

その時の私は、少し動揺したものの、

母にも心の支えが必要だったのだと、理解することができた。

なぜなら、当時、私にも、うつ病に苦しむ自分を親身に支え続けてくれる恋人がいたから。

※詳しくは、このシリーズに書いています↓

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私は、母の秘密を知ってしまったことを、最後まで黙っていた。

そしてこの時、女の貞操だの節度だのにうるさかった良妻賢母の母が、

なぜ、私の"道ならぬ恋"を非難しようとしないのかが解った。

 

だから私は、

自分の癒(いやし)しと歓びに満ちた交際について、

なおさら母に話しやすくなった。

 

母はその度に、

「にゃおみーぬが救われて良かったわ」

と、安心したにこやかな表情で聞いてくた。

 

しかし、あの笑顔は本当ではなかったのだろうか。

 

(そうだ……!)

記憶の糸が、1つまた1つとほどけていく。

そう言えば、母が倒れる数年前ーー

「Eさんから、立派な胡蝶蘭(こちょうらん)が贈られてきたの」

と、窓辺に飾った立派な花を私に見せた母を思い出した。

 

「Eさんがね、毎年、私の誕生日に胡蝶蘭を贈ってくれていたのよ。

でも、

『もう贈りません。お互い歳だし』

なんて言ってきたの」

母はやけに無表情に、淡々とそう話した。

 

お花好きのお友達がいつも贈ってくれるの、と母が毎年嬉しそうに眺めていた胡蝶蘭は、

“あの同窓生”からの贈り物だったのだと、私はその時初めて知った。

 

それと同時に、その男性と70歳過ぎの今まで続いていたことに内心驚いたが、

母はそれ以上触れなかったし、サッパリした感じだったので、

私はこの話をすぐに忘れてしまった。

 

今思えば、

その後も相変わらず、自分の恋をはしゃいで語る私の話を、

母は微笑みを浮かべて聞きながら、

本当は何を思っていたのだろう……。

 

(つづく……)

 

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