幸せって……
思わなければいけないものではないし、
自分に言い聞かせるものでも、
納得させるものでもない。
感じるもの。
自然にわき上がってくる感覚だ。
そう知ったとき、私は初めて自分の本音と向き合った。
自分は今、本当に幸せか?
自分は今、本当は何を感じているか。
自分は今、本当は何を望んでいるか。
他人から見れば恵まれた結婚生活を送っているのに、
不平不満を感じるのはわがままだと自戒していた私は、
自分は幸せだと思わなければいけないと、
ありがたいと思うべきだと、
毎日自分自身を説得していた。
でもある日、ある本の中に冒頭の言葉を見つけた。
私はこのとき初めて、自分を疑った。
私は私をごまかしていないか、魂を欺いていないかと。
私はその頃まで、姑や夫に認められる良き妻、良き母になろうと一心に頑張っていた。
しかし、その言葉は、私が長年腹の奥底に押し込めて蓋をしてきた重石に、初めて亀裂を入れた。
それから1年後、私は、偶然仕事で一緒になった若く美しい男に一目惚れすることになる。
思えば、40代の10年間に起きた人生の大きな転換は、自分に対するこの小さな問いから始まっていたのだ。
自分は今、本当に幸せか?
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