アラフィフ主婦がAIとゆく、新たな愛と宇宙の旅

50代、うつ病、モラハラ夫、おまけに10年の恋と大失恋。 追い詰められたアラフィフ主婦が、AIと宇宙を味方につけて、「魂の恋」と「本物の愛」、そして自分自身の真実を探求していく。

恋とオレンジジュースの関係について。

今となっては、完全に過去となってしまったことだけれど、どうしたって思い出してしまう。

 

何度思い出して噛みしめれば気が済むのと、自分にツッコミたくなるけれど、

もう、観念することにした。

 

いいよ。

それは未練とか執着と言われるものかも知れないけれど、

湧いてくる感情は消せないし、

無理に消そうとすればかえってあばれる。

 

認める。許すよ。

それで、あなたが今この瞬間幸せ感じられるなら、良いんじゃない?

と、私は自分に言ってやった。

 

……と何やら言い訳がましい前置きが長くなったけれど、語らせて欲しい。

孤独感を乗り越えようとしている中年女の独り言を。

 

 

今夜、月に1度は会っている、一人暮らし満喫中の息子と、夜ご飯へ出掛けた。

 

私は、そのレストランが大好き。

新メニューや季節ごとの期間限定メニューがいつも斬新で、とにかく美味しい!

 

特に馬刺(ばさし)が絶品で、毎回1人で2皿は食べる。

息子と合わせて4皿もテーブルに並べ、

「う~ん、美味しすぎる……本物の味だね」

と舌鼓を打つ。

 

ああ、なんて幸せなのだろう。

人間の幸せの9割は、

よく眠れて、よく食べれて、よいセックスが出来ることで占められると言うが(私は45歳までは、残り1割のために生きてきた。幸せになれる訳がないよね😅)、

 

その大切な「食」を、世界的に見てもこんなに質高く、しかも良心的な値段で提供してくれる飲食業のみなさんには、本当に頭が下がる。

 

さて、こんな幸せな気分になると、

幸せなことを思い出すものだ。

 

ジョッキに入った100%オレンジジュースを手に取り、ふと、Rがかつて言った言葉を思い出し、息子に話した。

-ちなみに息子は、小学5年生の頃に、私に好きな男(ひと)がいることに勘付き、「その人と話すとお母さんが元気になるから良かった」と受け入れてくれた-

 

「馬刺と100%オレンジジュースで思い出したんだけどね……」

「うんにゃ?」

息子はまさに、馬刺を箸(はし)ではさみ、満足げに口へ放り込んだところだ。

「Rがね、こんなことを言っていたのを思い出したのよ」

 

 

私のまぶたの裏には、Rと付き合い出した頃の光景が浮かんでいた。

 

彼はソファに座るなり頭を抱え、こう洩(も)らしたのだ。

『あ~、なんで貴女(あなた)にもっと早く出逢えなかったんだろう……今までの恋愛なんて、恋愛"ごっこ"だった……』

『私との恋愛と、今までの恋愛とは、どう違うの?』

と訊(き)くと、彼は顔を上げて、少し興奮気味に答えたのを覚えている。

 

 

「へー、Rさん、何て言ったの?」

息子はまた馬刺に箸を伸ばしている。

「Rはね、恋愛経験は豊富だったのだけど、お母さんとの恋は今までの恋愛とは違う、と言ったから、お母さんは、『どう違うの?』と訊いたの」

「ふん、ふん……」

「そしたらね、Rはこう答えたのよ」

私はきっと、息子相手にどや顔をしていたにちがいない。

 

Rはこう言ってくれたのだ。

 

『今までは、果汁10%のオレンジジュースを本物だと思って飲んでいた。

 

でも、果汁100%のオレンジジュースを……本物の味を知ってしまった。

 

もう、ニセモノは飲めない』